Australia wallabies Attack System Vol.5 各ユニットがゲインする理想的な形でのトライ!動画もご覧下さい!

attack system

2019ラグビーW杯に向けて徐々に調子を上げているオーストラリアワラビーズ。ブレディスローカップでは世界ランク1位(現在2位)ニュージランドオールブラックスに1勝1敗と差を縮めつつある。今回のワラビーズアタックシステムVol.5では、9フェーズ重ねる中で各ユニットが確実にゲインしトライに結び付けるシーンを動画とポジショニングシートで解説します。

ターンオーバー→トランジション→ワイドアタック→アタックシステムセット

アルゼンチンのカウンターを止めターンオーバー。ワイドに展開して右エッジにブレイクダウン。

ここからワラビーズ がアタックシステムを形成し,コントローラーである10(SO)or12(inside center)がどのユニットを使いラインブレイク・ゲイン・(トライ)をするか判断し、そしてユニットは突破するための最良のオプションを選択・実行する。

2nd phase コントローラーチェンジ

R-unitのBDに10が入った為、ゲームコントローラに12が入り、折り返しを10シェイプでQ-unitを使う。今回の10シェイプは真ん中のレーシーバーがダイアモンドのような形になるアローヘッドではなく、フラットにならび6はラインアタックの中でダミーになっている。5はボールをキャッチした時点で両サイドにスペースがないと判断し、1対1の勝負で自分のマークをかわしゲインする。

3rd phase 左サイドエッジにスペースがあると判断

L-unitとの連携コミュニケーションより左サイドエッジへのボールを運ぶことをdecsionする。クイックで外にシフトしたいのでK-unitはオールダミーで3・1の間を通し12→15→8とつなぐ。8がレシーブした時点でDF15が上がってきた為自らが突破にかかりBDとなる。

※左サイドエッジのスペースがある事を「スキャン・scan」→「判断・decision」→「連携・communication」→「実行・action」

4th phase 10shape K-unitが狭いスペーシを突く

ここでも10shapeでK-ukitを使う。10shape 9shapeの使い分けやメリット、デメリットは次回以降に解説させて頂きます。

10shapeで12→3(18)、フラットに仕掛けているのでボールキャリア3(18)対するDFはスライドする事が出来ない状況を作り出しパス。そのパスに1(17)は若干アングルを切りアンダーに入り、1をノミネートしているディフェンダーのウィークショルダーを取りゲイン。更にサポートの2(16)へオフロードパスでロングゲイン。ユニットの中でより良いオプションを選択した素晴らしアタックと言えるでしょう。

5th phase ポジショニングを変化させた 10 shapeで攻撃

ディフェンスを崩すには同じシェイプ(攻撃の形)を続けていると、やはり「読まれる」こともある。オプションを持ち形を変え、的を絞らせないアタックをしなければならない。このフェイズでは12のインサイドに4を立てることで、内側からの圧力を弱めギャップを自分でも狙える形をとった。大きなゲインにはならなかったが、違うシェイプを見せることで次のディフェンスプレスが弱まるケースも考えられる。

6th phase 再度コントローラーチェンジ 11の役割と「無駄走り」でゲイン

12がキャリアーになりBDに入っているので、ここで再度コントローラーが10(SO)にチェンジとなる。各ユニットが少しづつであるがゲインする事でDFが立ち遅れ、セット遅れが生じてきて、このフェイズでは5対3の状況が生まれている。ここで大切な役割を果たしているのが逆サイドから回ってきてる11が13のインサイドに入ることによってディフェンスのスライドを防ぎアウトサイドのランコースを作り出す。この「無駄走り」とも思われるような動きはディフェンスを崩すための大きなものとなってる。

この様な動きはL・R-unit に属する選手で自分たちのユニットアタックが終了しBDテール(シールドorブロック)の選手や、BDに入らずにボールアウト出来た時に浮いていた選手が、他のユニットのインサイドに入ってダミーまたは実際にリターンでもらったりとアタック人数を増やす役割も担っている。

7th phase 10shape

ここでも折り返しのアタックはQ-unitを使った10shapeだ。

システム解説= Australia unit attack Vol.1〜4で解説していたK-unitをHポール付近にアタックさせ、その両サイドをQ-unitがアタックするシステムにイレギュラーが出ているのはK-unitがダミーになるケースとK・Q-unitのブレイクダウン発生場所がHポールから15mの間で出来ているからである。そのため縦のレーンを攻めるポッドアタックの様になっている。

パスアウトは9の遅れもあり、11がクイックパスに対応している。Q-unitの10シェイプはマイナスゲインになっているが常に縦への突破を意識付けさせる事で、裏オプションのバックドアを使う事が可能となる。

8th phase K-unit 9 shape ユニット内でのリターンパスでゲイン

レシーバー2(16)に対してのディフェンダーは速いプレスをかけているが、内側ディフェンダーの上りが遅れているため段差(ギャップ)が出来ている。そのギャップに対し正確な判断で3(18)へリターンパス。3の強さもあり大きくゲインする。

9th phase finish 11(WTB)が逆サイドから元のユニットに戻り効果的なラインアタックとなり最高のトライを生む。

8th phaseATのK-unitのブレイクが効きディフェンスセット&リロードは更に遅れる。DFの出が悪いのに対しオーストラリアアタックラインL-unitはフラットにスピードに乗り仕掛け、そこへ更に逆サイドから戻った11 がラインに入る事で完全なるオーバーナンバー(数的有利な状態)が出来る。11へ詰めてきたDFに対し正確な判断と高いハンドリングスキルで8へ飛ばし14へとつなぎ最高のトライ、最高のユニットアタックが完結する。

「スキャン・scan」→「判断・decision」→「連携・communication」→「実行・action」

フェイズごとにゲインすることによって、ゲインラインブレイクによってディフェンスのセットは遅れ、プレスも弱まる。プレスが弱まる事でアタックは正確な判断をする時間が出来、前へと仕掛けられる。その中で各ユニットがギャップやスペースを見極め確実に突くことが出来れば更なるゲインを生みゴールへとボールを運ぶこととなる。これらは全て「スキャン・scan」→「判断・decision」→「連携・communication」→「実行・action」ここから始まる。

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