アルゼンチンのボックスキックからワラビーズ がアタックシステムを使いどう攻め上がるかを解説いたします。
1-3-3-1のアタックレーン(エリア)とユニット
オーストラリアユニットアッタクVol.1・2でも解説した通り、1-3-3-1のシステムのユニット分けは以下の様になり
- K-unit =1・2・3(フロントロー) =FW3名
- Q-unit =4・5・バックロー(6)1名 =FW3名
- L-unit = バックロー(8)1名+バックス =FW1名
- R-unit =バックロー(7)1名+バックス =FW 1名
下のシステムポジショニングシートでは各ユニットがおおよそどのレーンを攻撃するかを示してます。
- k-unit = ミドルエリアをアタックする。Hポールに向かうイメージ。
- Q-unit = 両サイドの15m付近をアタックする。
- L-unit = 11とバックロー1名を中心に左サイドをアッタクする。
- R-unit = 14とバックロー1名を中心に右サイドをアタックする。
再度解説させて頂きます。ラインアウト、スクラムの位置や今回のキックレシーブ後の動きなどではなバックロー、バックスの並びが変わるケースもありますが、基本形としてこのユニットで攻撃します。
※ K-unit, Q-unitでダミーランやバックドアで裏のバックスにシフトした場合などは、アタックするレーン(エリア)が入れ替わるケースがあります。

アルゼンチン SHが自陣22mから10m付近へボックスキック(9からのハイパント)
ポジショニングコース
このポジショニングシートはアルゼンチンのボックスキック後から15がパントレシーヴ→ブレイクダウン→ポジショニングの流れを点線で示してます。
オーストラリアのディフェンスの配置について。ディフェンスの並びはブレイクダウンを中心に内側からFWの重い選手と段々デフェンスレンジの広い選手が外側になっている。アタックにもよるが、ほとんどチームが内側をFWが攻め、外のスペースをBKが仕掛ける事から必然的にこの様なデフェンス並びになるケースが多い。
ボックスキックのレシーブに対して各プレーヤーは誰がサポートに付くかを見極め判断すると同時に、次のアタックに備え自分のポジショニングをとる。このケースではレシーバーの15をサポートするのが、先ず最短で直線的に戻れるのがブレイクダウン周辺にいるフロント、ロックになりますが、キックチャージやブレイクダウンファイトをしている為戻りが遅れているので 6・7が先に15のサポートに入ってます。誰が先にサポートへ回れるかの判断の難しさがここに出てきます。

パントレシーヴ後のポジショニングからアタック
システムのポジショニングシートでも分かる様に、ブレイクダウンが発生した地点(イメージとして R-unitがアタックしてブレイクダウンが出来たと考えてもいいでしょう)からQ-unit→K-unit→L-unitと配備しています。このケースでは左サイドのスペースに仕掛ける判断をし、Q-unit,K-unitはダミーで飛ばしL-unitが左エッジを攻めてます。左エッジに仕掛ける意味がもう1つあり、Q-unit,K-unitはダミー に使ったのは両方の十分なセットが出来ていない為左エッジへボールを運び、次の1way(折り返しのアタック)でユニットを再構築し自分たちの形「1-3-3-1」のシステムで攻め上がるとにつながります。

理想のポジショニング
このシートはキックレシーブのサポートに入らずに済んだプレーヤー(3・2・8サポートの保険的存在ですね)が最初の段階で取れていればと言う理想のポジショニングです。

2nd phase
ここでQ-unit ・ K-unitが本来の形になり1-3-3-1のユニットアタックになります。
更に理想を求めるならば Q-unitの裏に バックスが入りダミーorバックドアで裏にシフトしワイドアタック出来る形を作ること。これではリンケージさせられないですね。
※ K.Q-unitを9or10からかは10or12の判断になります。

3rd phase
右サイドエッジにスペースがあると判断し、K-unitをダミーランで10にシフトし、更に15を飛ばし 11・7で勝負をかけるも残念ながらノックオンで終わりますが、通っていればと言うシーンでしたね。

今回のユニットアタックVol.4ではパントレシーブからのシステムのポジショニングをどの様に取るかを解説させて頂きました。
アタックシステムとは自分たちのアタックシェイプ(形)を形成することで、局面を崩す為のユニットアタックやユニットをリンクさせ空いているスペースにボールを運び攻め上がる為の武器である。いかに早く正確にポジショニングを取ることも大切な要素でもあります。
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