2018.2019ジャパンはこのストラクチャーアタックを中心に戦ってきた。特に1wayのアタックで2つ目のユニットをコントロールするレシーバーにセンターを配備するフォーメーションとJ.Jジャパンの頭脳・心臓部・司令塔SO田村 優の局面での冷静な判断がジャパンを勝利へ導く。今回はそのストラクチャーアタックシステムを解説いたします。
ストラクチャーアタックシステム ポジショニング
ジャパンもオーストラリアワラビーズ 同様に1-3-3-1システムを使い、おおよそですが自陣10mから敵陣22mをこのシステムを中心にアタックを仕掛けます。
※ 今回のサンプルもワラビーズ アタックシステムで採用していたユニット名を使います。
- ①水色のサークルがハイボールをレシーブしブレイクダウンが発生したところから1wayのアタックがスタートする。そしてピンクのサークルQ-unitが内側を崩す。ジャパンの場合Q-unitは ロック・ロック・プロップの3名で構成する。
- ②のグレーサークルK-unitはレシーバーにセンター(基本12)・フランカー・フッカー・プロップが並び、このユニットの裏にSO10が位置する。主にミドルエリアを中心に攻撃する。
- ③グリーンサークルR-unitはフランカー(バックロー)・右ウィングで構成され、K-unitの裏にポジショニングしていた10もスライドして加わる。
再度説明させて頂きます。ラインアウト、スクラムの位置や今回のキックレシーブ後の動きなどで、バックロー・バックスの並びが変わるケースもありますが、基本形としてこのユニットで攻撃します。
最初のフェイズでワイドスペースを狙う為の準備も
- K-unitからのバックドア→Q-unitのオールダミーランで一気にR-unitまでシフトしランプレーで右スペースを狙う。
- K-unitからのバックドアもしくはオールアップのダミーランでSOがもらい右スペースをキックパスで一気に取りに行く。
ワイドスペースにボールを運ぶには、DFより先に各ユニットがしっかり仕掛ける準備ができている事でデイフェンスが広がる事が出来ない。それによって生まれるスペースを攻めるにはアウトサイドからのコミュニケーションとSOの正確な判断が不可欠である。
K-unit SOのポジショニングとレシーバーをセンターにするメリット
大方のチームがQ-unitがクラッシュした場合、10が次のレーシバーになり横にFWがトライアングルを構成しその裏に12(センター)がポジショニングするが、ジャパンのストラクチャーは12がレシーバーになり、プロップ・フッカーのダブルアップ(!0シェイプ)で仕掛けるユニットを構成し裏に10がポジショニングする。
K-unitではFのフランカーとHのフッカーがポジションはケースバイケースで、下のポジショニングシートのFにあたる選手が手前のBDの状況などでいなくなるケースもある。
- F or H の役割はSH9のパスアウトのタイミングでDFの内から2人目を狙って鋭いアングルで切れ込むことでDFラインの出だしを遅らせることが出来る。尚且つ3番目のDFが一瞬 F に引き付けられギャップが出来ればよりベターである。
- そして最大のメリットはスピード・瞬発力のあるセンターが入ることで、この様なギャップを見逃さず仕掛けラインブレイク出来ることである。10シェイプのパサーでありBDサポートにも入り、バックドアで裏にシフトするパスは正確であるなどメリットは多数だ。
最終局面のR-unit(L-unit)のアタックでは映像の通り、テンポの早い仕掛けと、各ユニットのリロードの速さでDFが逆目を予測し順目に行けず、オーバーラップの状況を作り出している。
PNCでもジャパンのストラクチャーアタックシステムを使い最終局面のアタック(R/L-unit)では田村選手の正確な判断とコミュニケーションでいくつものトライを演出してましたね。ワールドカップでは新たなオプション・フォーメーションも入ってくると思いますが、更に精度を上げ接戦をものに出来るタフなチームを作り上げ、何としても予選プール突破!Top4狙ってほしいと思います。
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