世界が日本がこれ程までに心を揺さぶられ感動したラグビーW杯2019日本開催的閉幕し1ヶ月が過ぎましたが、2019日本開催での最高のトライはどれだったのかな〜!数々の感動的なトライの中から勝手ながら、ベストトライを選ばせて頂きました!ハイプレッシャーの中で正確な判断と瞬時に繰り出す最高のスキル&パフォーマンスはやはりニュージーランド・オールブラックスの真骨頂!このトライが日本のラグビーファンに火をつけてくれましたね!
決勝戦とも思えるプール初戦からそのトライは生まれた!
ニュージーランド・オールブラックス vs 南アフリカ・スプリングボクス!まさし決勝とも思える戦いが予選プールB組の初戦から行われた。高い注目度の中、さらにファンを高揚させ日本開催の盛り上がりに拍車を掛けてくれたのがこのトライではないでしょうか!
記憶の中に深く刻まれたこのトライシーンを映像で
両チーム通して最初のトライ!前半22分45秒アーロン・スミスのボックスキックからをご覧ください。
ハイパント後のイーブンボールから最高のトライは生まれた。
残半22:30南アフリカキックオフ ボールをNZがキャッチ、自陣22m少し出たところでブレイクダウン・SHアーロン・スミスのボックスキックをNZジョージ・ブリッジと南アフリカフェルミューレンがコンテスト、イーブンボールがNZ側へ。ここでNZが得意とするアンストラクチャードアタックでワイドスペースにセットしているセブリースへボールを運ぶ。
ハイスキル&判断① リッチー・モウンガのキックパス
モウンガからセブ・リースへ飛ばしパスでも良かったのでは?とも感じる距離でもあるが、やはりパスは前へ投げられないし飛ばしの場合パスモーションは大きいため簡単に対応し外にズレられてしまう可能性もある。ではキックを選択したのになぜほぼ真横へのキックだったのだろうか?
モウンガにプレッシャーをかける南アフリカディフェンダーシヤ・コリシのチャージが予想以上に厳しく理想のキッキングスペースへのキックパスではチャージされる、高めのキックだとチャージされないが対空時間長ければデイフェンスに戻る時間を与えてしまうと判断し瞬間的にチャージされない角度、それが真横へのキックパスとなった。
ハイスキル&判断② セブ・リースのキャッチングした瞬間のスッテップ
モウンガからのキックパスが想定より浅かった為、キャッチング後にタックルに入られてしまう可能性があった。サブ・リースのとった対応は着地と同時に後ろ足に重心をかけグースステップのモーションに入り、ワンフェイク入れる事でディフェンダーのマピンピの足が一瞬揃い振り切られる結果となった。
ハイスキル&判断③ アーロン・スミス サポートコース&アジャスト
アーロン・スミスも含めオールブラックスSH勢のボールキャリアサポートはトライに直結するシーンを幾度と無く披露してくれている。このシーンこのサポートコースは最高の状況をイメージする事で可能となる。ボールキャリアごとにラインブレイクした事を想定したコースを取るので誰がどこで突破しても最短でインサイドサポートにつきボールをもらえる状況を作り出している。コンタクトが起きブレイクダウンが発生する事を想定したコースではいざボールキャリアがラインブレイクした時には遅れてサポートにつくため、オーバーラップ(オーバーナンバー.数的有利)を作ることは出来ない。ニュージーランドオールブラックスにフェイズを重ねて取り切ると言う概念ではなく、最短でトライを取る!の考え方なので、そもそもの想定が最高のスチュエーションを描いた動きなのである。
ここでのアーロン・スミスのサポートコースはセブ・リースと②の画像で左端から出てくる赤丸のディフェンダーポラードとの接点を予測しスロフォワードにならないポジションをアジャストさせる。
ハイスキル&判断④ アーロ・スミス&ライアン・クロティー ブレイクダウンサポート&パスアウト
更にアーロン・スミスは後ろから迫るシア・コリシを背中に感じた為クイックでアーディー・サヴェアへ繋ぐ。サヴェアがタックルを受けブレイクダウンが発生。ここでよくあるケースはのブレイクダウンサポートプレーヤーつまり2人目に入るオーバー役がSH最短お位置にいたとしいても入らないケースが多々ある。SHは常にパスアウトを役割として与えられてるの事でブレイクダウンに入る意識が非常に薄い。しかしアーロン・スミスはサヴェアにパスをしロンゲインをした場合サポートが近場にいなくなる事が想定できていた為、自らがブレイクダウンサポート(セカンドマン)に素早く入る事で「ジャッカル」を防ぎ大きなチャンスへと繋ぐ事ができた。
ではパスアウト誰が?当たり前ですが近くの選手がその役割を?臨機で?そうですよね普通ですよね。しかしこれもよくあるケースですが、このようなロングゲインの場合、ディフェンス側はバックスリーも含めブレイクダウンによる傾向にありワイドにスペースがあくのが通例である。そこでアタック側のバックスはワイドへの展開を考えアタックラインに入る事を優先的に考えがちになるのですが、ニュージーランドオールブラックス ライアン・クロティーは躊躇する事なくパスアウト役に入った。やはりこの対応が遅れ1秒でもパスアウトが遅ければ1・2人ディフェンスラインに入りディフェンスが広がるとギャップやスペースの埋められて攻めるスペースがなくなるという訳です。いかにポジション関係なく対応出来ているか素晴らしいですね!
この二つのケースは本当によくありがちなで、自分の役割はこれですと決め付けている、もしくは「型にはめられている」選手・チームが陥りがちのように感じます。
ハイスキル&判断⑤ 「チョイス」スペース キックorパスorラン
ブレイクダウンが発生しパスアウトされた段階では9対5の状況で十分オーバーラップ(オーバーナンバー)は作られてますが、リッチー・モウンガがパスレシーブした時、画像①ブルーの丸がオールブラックスのFWのデコイランにより南アフリカの1・2・3のディフェンダーが内側に寄せられ(ここでもオールブラックスのストラクチャーアタックのダミーラン2名を縦に入れる)ボーデン・バレットにボールが移った時点では6対2となる。
ボーデン・バレットが出した「ディスィジョン」は
上の画像②のブルーサークル2で前方に指を刺しているのがジョージ・ブリッジ、ワイドで腕を上げているのがダン・コールズ、周りとの連携によってバレットは何をチョイスするのか?
下の画像を見てもらえればわかる通り、ディフェンスライン裏のグラバースペース、ワイドへのパスプレースペースアタック、ワイドへのキックパススペースがある。上でも述べたように、大概のチームがワイドへのアタックがセオリーと考えるのが通例だと思うが、オールブラックス/ボーデン・バレットが出した答えは?
ジョージ・ブリッジが指示したデュ・トイがディフェンスラインから飛び出しモウンガにプレスを掛けたあいたスペース/Big gapレッドラインのスペースを突いたのだ。
4択から瞬時に出した答えが、自らが目の前のギャップへ仕掛けるランプレーだった。
6体2でワイドスペースへのパスプレーとキックパスは俊足で反応の良いコルビーでは対応出来る可能性がある。グラバーは確率的に50/50なのか、ジョージ・「ブリッジのからの指示でみた目の前のスペースは?」インサイドからのディフェンダーの距離では自分のスピードに追い付けないと「判断」一気に加速し外のディフェンダーエスベスが詰めてきたところにサポートのジョージ・ブリッジへと繋ぎトライとなった。
Greatest Try !!!!
瞬時に判断しそのスチュエーションにあった最善のスキル・パフォーマンスを見せてくれるのがオールブラックス・ニュージーランドラグビーではないかと思います。どのポジションでも一定レベルのフィールドプレイのクウォリティーを求められ、ポジション関係なくどのスチュエーションでも対応できるスキルを持ち合わせている。このトライに代表されるように、いかにトライを取るためのスペースにボールを運ぶのかを常に考え判断した結果がキックパスでありオフロードパスであり、ボールキャリアが気が付かないスペースギャップをコミュニケーションによって仕掛けるブレイクランとなる。今大会では優勝こそ逃したものの世界を牽引してきたことに間違いはない。そしてこれからも進化する最先端のラグビーをニュージーランド・オールブラックス魅せてくれるだろう!
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