日本ラグビー再び南アフリカを撃破!するには!今夜決戦

Japan Rugby

世紀の番狂わせから4年、南アフリカの思いは「ワールドカップでの悔しい思いはワールドカップで」だろう。本気の南アフリカを返り討ち出来るのか!偶然の勝利では無く実力・底力を付けたからこその予選プール4連勝の日本。先ずは予選4試合のスタッツを比較してみたいと思います。そしてプール戦スタッツから見えてくる南アフリカの強さと武器を探り、日本がどう戦えば勝てるのか考えてみたいと思います

南アフリカvsニュージーランド

南アフリカNZ
得点1323
テリトリー59%41%
ボール支配率前半53%47%
ボール支配率後半53%47%
アタック 
キャリーメートル数370367
ラン104110
ゲインラインを超えるキャリー3033
パス119143
ディフェンス被突破2835
クリーンブレイク712
オフロード28
モール成功数53
ラック成功数8777
 
キック 
パントキック2431
ゲインメーター(キック)541601
キックした側がボールを獲得1519
タッチキック49
チャージダウン1
合計キック数2635
 
ディフェンス 
タックル108126
タックル失敗3528
タックル成功率76%82%
 
ターンオーバー成功57
自陣でのターンオーバー成功38
敵陣でのターンオーバー成功155
 
セットプレー 
セットプレー成功数1415
スクラム5/68/8
ラインアウト7/99/9
敵ラインアウト奪取
 
規律 
反則94
レッドカード
イエローカード

南アフリカvsナミビア

 南アフリカナミビア
得点573
テリトリー71%29%
ボール支配率前半60%40%
ボール支配率後半62%38%
アタック 
キャリーメートル数562158
ラン12564
ゲインラインを超えるキャリー4512
パス13062
ディフェンス被突破349
クリーンブレイク19
オフロード123
モール成功数82
ラック成功数8043
 
キック 
パントキック2019
ゲインメーター(キック)508395
キックした側がボールを獲得167
タッチキック129
チャージダウン3
合計キック数2822
 
ディフェンス 
タックル77138
タックル失敗934
タックル成功率90%80%
 
ターンオーバー成功911
自陣でのターンオーバー成功610
敵陣でのターンオーバー成功155
 
セットプレー 
セットプレー成功数1719
スクラム3/39/13
ラインアウト14/1410/11
敵ラインアウト奪取
 
規律 
反則610
レッドカード
イエローカード2

南アフリカvsイタリア

 南アフリカイタリア
得点493
テリトリー53%43%
ボール支配率前半55%45%
ボール支配率後半49%51%
アタック 
キャリーメートル数568257
ラン127111
ゲインラインを超えるキャリー4327
パス137134
ディフェンス被突破2017
クリーンブレイク128
オフロード1015
モール成功数102
ラック成功数7966
 
キック 
パントキック3624
ゲインメーター(キック)827723
キックした側がボールを獲得208
タッチキック227
チャージダウン3
合計キック数4728
 
ディフェンス 
タックル112128
タックル失敗1720
タックル成功率87%87%
 
ターンオーバー成功75
自陣でのターンオーバー成功68
敵陣でのターンオーバー成功84
 
セットプレー 
セットプレー成功数2221
スクラム6/67/7
ラインアウト16/1614/16
敵ラインアウト奪取2
 
規律 
反則713
レッドカード1
イエローカード

南アフリカvsカナダ

 南アフリカカナダ
得点667
テリトリー66%34%
ボール支配率前半63%37%
ボール支配率後半76%24%
アタック 
キャリーメートル数669215
ラン12863
ゲインラインを超えるキャリー4428
パス17362
ディフェンス被突破4717
クリーンブレイク257
オフロード92
モール成功数41
ラック成功数7940
 
キック 
パントキック2413
ゲインメーター(キック)750327
キックした側がボールを獲得214
タッチキック144
チャージダウン1
合計キック数3118
 
ディフェンス 
タックル68123
タックル失敗1747
タックル成功率80%72%
 
ターンオーバー成功65
自陣でのターンオーバー成功86
敵陣でのターンオーバー成功1012
 
セットプレー 
セットプレー成功数1417
スクラム6/65/6
ラインアウト8/812/15
敵ラインアウト奪取3
 
規律 
反則58
レッドカード1
イエローカード

南アフリカ プール戦4試合トータルスタッツ

 南アフリカ4試合計
得点18536(失点)
テリトリー62%38%
ボール支配率前半58%42%
ボール支配率後半60%40%
アタック 
キャリーメートル数2169997
ラン484348
ゲインラインを超えるキャリー162100
パス559401
ディフェンス被突破12978
クリーンブレイク6327
オフロード3328
モール成功数278
ラック成功数325226
 
キック 
パントキック10487
ゲインメーター(キック)26262046
キックした側がボールを獲得7238
タッチキック5229
チャージダウン8
合計キック数132103
 
ディフェンス 
タックル365515
タックル失敗78129
タックル成功率83% 
 
ターンオーバー成功2728
自陣でのターンオーバー成功2332
敵陣でのターンオーバー成功4826
 
セットプレー 
セットプレー成功数67 
スクラム20/21 
ラインアウト45/47 
敵ラインアウト奪取7
 
規律 
反則2735
レッドカード2
イエローカード2

日本vsロシア

 日本ロシア
得点3010
テリトリー48%52%
ボール支配率前半50%50%
ボール支配率後半57%43%
アタック 
キャリーメートル数655289
ラン141112
ゲインラインを超えるキャリー4943
パス183101
ディフェンス被突破4821
クリーンブレイク1611
オフロード94
モール成功数11
ラック成功数9689
 
キック 
パントキック3339
ゲインメーター(キック)9331060
キックした側がボールを獲得1815
タッチキック911
チャージダウン21
合計キック数3642
 
ディフェンス 
タックル134144
タックル失敗2148
タックル成功率86%75%
 
ターンオーバー成功711
自陣でのターンオーバー成功74
敵陣でのターンオーバー成功1413
 
セットプレー 
セットプレー成功数1721
スクラム4/413/13
ラインアウト13/148/9
敵ラインアウト奪取1
 
規律 
反則55
レッドカード
イエローカード

日本vsアイルランド

 日本アイルランド
得点1912
テリトリー48%52%
ボール支配率前半51%49%
ボール支配率後半58%42%
アタック 
キャリーメートル数503318
ラン157133
ゲインラインを超えるキャリー6045
パス201166
ディフェンス被突破1814
クリーンブレイク510
オフロード46
モール成功数
ラック成功数115107
 
キック 
パントキック1919
ゲインメーター(キック)585586
キックした側がボールを獲得98
タッチキック910
チャージダウン
合計キック数2225
 
ディフェンス 
タックル176171
タックル失敗1418
タックル成功率93%90%
 
ターンオーバー成功37
自陣でのターンオーバー成功75
敵陣でのターンオーバー成功610
 
セットプレー 
セットプレー成功数1315
スクラム6/66/7
ラインアウト7/89/11
敵ラインアウト奪取21
 
規律 
反則69
レッドカード
イエローカード

日本vsサモア

 日本サモア
得点3819
テリトリー51%49%
ボール支配率前半50%50%
ボール支配率後半51%49%
アタック 
キャリーメートル数433333
ラン100105
ゲインラインを超えるキャリー3430
パス135103
ディフェンス被突破2214
クリーンブレイク86
オフロード35
モール成功数24
ラック成功数6572
 
キック 
パントキック2722
ゲインメーター(キック)777682
キックした側がボールを獲得2015
タッチキック610
チャージダウン2
合計キック数3126
 
ディフェンス 
タックル127113
タックル失敗1422
タックル成功率90%84%
 
ターンオーバー成功99
自陣でのターンオーバー成功57
敵陣でのターンオーバー成功66
 
セットプレー 
セットプレー成功数1812
スクラム4/45/6
ラインアウト14/147/7
敵ラインアウト奪取
 
規律 
反則1010
レッドカード
イエローカード1

日本vsスコットランド

 日本スコットランド
得点2821
テリトリー57%43%
ボール支配率前半55%45%
ボール支配率後半74%26%
アタック 
キャリーメートル数559375
ラン150111
ゲインラインを超えるキャリー6238
パス204163
ディフェンス被突破3329
クリーンブレイク1311
オフロード87
モール成功数14
ラック成功数11487
 
キック 
パントキック1021
ゲインメーター(キック)267570
キックした側がボールを獲得96
タッチキック79
チャージダウン1
合計キック数1228
 
ディフェンス 
タックル148199
タックル失敗2933
タックル成功率84%86%
 
ターンオーバー成功69
自陣でのターンオーバー成功38
敵陣でのターンオーバー成功115
 
セットプレー 
セットプレー成功数1017
スクラム6/76/7
ラインアウト4/511/11
敵ラインアウト奪取1
 
規律 
反則74
レッドカード
イエローカード

日本 プール戦4試合トータルスタッツ 

 日本4試合計
得点11562(失点)
テリトリー51% 
ボール支配率前半51% 
ボール支配率後半60% 
アタック 
キャリーメートル数21501315
ラン548461
ゲインラインを超えるキャリー205156
パス723533
ディフェンス被突破12178
クリーンブレイク4238
オフロード2422
モール成功数49
ラック成功数390355
 
キック 
パントキック89101
ゲインメーター(キック)25622898
キックした側がボールを獲得5644
タッチキック3140
チャージダウン42
合計キック数101121
 
ディフェンス 
タックル585627
タックル失敗78121
タックル成功率88% 
 
ターンオーバー成功2536
自陣でのターンオーバー成功2224
敵陣でのターンオーバー成功3734
 
セットプレー 
セットプレー成功数58 
スクラム20/21 
ラインアウト38/41 
敵ラインアウト奪取23
 
規律 
反則2828
レッドカード1
イエローカード

日本・南アフリカ 4試合トータルスタッツ比較

 日本 4試合計 南アフリカ4試合計
得点11562失点得点18536失点
テリトリー51% テリトリー62% 
ボール支配率前半51% ボール支配率前半58% 
ボール支配率後半60% ボール支配率後半60% 
アタック アタック
キャリーメートル数21501315キャリーメートル数2169997
ラン548461ラン484348
ゲインラインを超えるキャリー205156ゲインラインを超えるキャリー162100
パス723533パス559401
ディフェンス被突破12178ディフェンス被突破12978
クリーンブレイク4238クリーンブレイク6327
オフロード2422オフロード3328
モール成功数49モール成功数278
ラック成功数390355ラック成功数325226
  
キック キック
パントキック89101パントキック10487
ゲインメーター(キック)25622898ゲインメーター(キック)26262046
キックした側がボールを獲得5644キックした側がボールを獲得7238
タッチキック3140タッチキック5229
チャージダウン42チャージダウン8
合計キック数101121合計キック数132103
  
ディフェンス ディフェンス
タックル585627タックル365515
タックル失敗78121タックル失敗78129
タックル成功率88% タックル成功率83% 
  
ターンオーバー成功2536ターンオーバー成功2728
自陣でのターンオーバー成功2224自陣でのターンオーバー成功2332
敵陣でのターンオーバー成功3734敵陣でのターンオーバー成功4826
  
セットプレー セットプレー
セットプレー成功数58 セットプレー成功数67 
スクラム20/21 スクラム20/21 
ラインアウト38/41 ラインアウト45/47 
敵ラインアウト奪取23敵ラインアウト奪取7
  
規律 規律
反則2828反則2735
レッドカード1レッドカード2
イエローカードイエローカード2

スタッツから南アフリカの強みがわかる

南アフリカの強さはどこにあるのだろう 「フィジカル」「でかい」「強い」とこのように形容されているのは言うまでもない。もともと伝統的にラグビー強豪国であったが、アパルトヘイトにより国際社会から制裁を受け、国際舞台から遠ざかっていた。そのためラグビー W杯も第1回・2回は不参加であった。また、スプリングボクスはアパルトヘイトの象徴として見られ、富裕層の白人には人気があったが、貧困層とされるほとんどの黒人に不人気であり、ラグビーよりもサッカーの方が人気があったという。その後、アパルトヘイトが終わり、国際舞台に復帰することになる。1995年にW杯を自国で開催し初出場、そして初優勝を果たす(初出場初優勝は初回を除き史上唯一)。また、2007大会で2度目の優勝を果たした。W杯初優勝の前もニュージーランドオールブラックスと常に互角に渡り合っていたのは南アフリカだった。

南アフリカの武器は何なのか?今までもそうですが、南アフリカは常に「体の大きさとフィジカルの強さ」をいかし、セットピースと縦の突進を強みとしてきた。ではこのW杯4試合のスタッツを見てみると、高さをいかしたラインアウトの獲得率は言うまでもないが、敵ラインアウト奪取の7回はアタック機会を奪う大きな武器になる。次にモールだ。モール成功率22回は今大会では断トツだ。ラインアウトモールからのトライも多く南アフリカを自陣22m内に入れるのは即失点と考えてもいいだろ。最後に最も脅威となるのがラッシュアップデイフェンスだ。ディフェンスラインからの猛烈なアップスピードはアタック・ボールキャリアに判断する時間を与えず、パスを2回繋ぐまでにはアタッカーを潰す考えのディフェンス戦力である。ここにはまるとアタックはマイナスゲインとなりキックでその場を凌ぎ南アフリカへ攻撃権を渡すこととなる。チャージダウンの多さからもディフェンスプレスの激しさがうかがえる。

引き出しを増やしてくれたジェイミージャパンに勝機あり!

サモア戦のようにキッキングゲームでのゲーム戦略、アイルランド、スコットランド戦のように自陣からでもワイドアタックを仕掛け、自分達のストラクチャーへと持ち込みアタックを継続させゲインを切りトライも取れる。幅広いゲームプランが出来るようになった日本のラグビーは間違いなくニュージーランド出身のジェイミーの指導と、それをしっかり理解し自分達のものにしてきた選手自身の努力の賜物だろう。このW杯でのゲーム内容が南アフリカを混乱させている。W杯前のサマーテストではジャパンのアタックはしっかりスペースも見えそのスペースを突こうとする判断は出来ていたが、ギリギリのところで南アフリカのラッシュアップ DF に引っかかってしまっていたが、W杯に入り成長したジャパンはその部分を修正できる力を十分に付けてきている。日本がやるべき事は自分達のフェイズアタックを信じ、自陣からでも恐れる事なく仕掛ける。それにより南アフリカのバックスリーは上がりが早くなる、上がりが早くなることにより奥のスペースはワンフルバック状態になり(ライン裏後ろのスペースはバックスリー3人のペンデュラムで守るのが1人になる)両サイドにキッキングスペースが生まれてくる。キックパスでも裏を取れるようになった日本ラグビーはまさにこの場面で力を発揮するだろう。

そして下のポジショニングシートはセットスクラムからの南アフリカのディフェンスコースで、バックスリーの動きに注目してもらいたいのが、ワイドキックをケアーしているFBのル・ルーの上がりが異常に早い。もちろんキッキングの見極めをしてからの上がりだが、南アフリカのBKラインディフェンスはここでもプレススピードを上げ、基本詰めDFだがAT5人をDFフロントライン4人でみる)大外のアタッカー(松島)をFBル・ルー迷いなく見れるため一気に上がっていける。その分ブラインドウィングのコルビーも一気に中央、もしくは左サイド付近までカバーしなければならない。

(下のシートはサマーテスト日本対南アフリカの前半10:30のシーンです。)南アフリカDFシステムはこのW杯もほぼ変わってません。

したがって2phase二次攻撃の逆サイド裏は黄色丸赤字で書いてあるラン&キッキングスペースとなる。ここを責める事でDFのバックアップもあるがコルビーが上がってきた時点でさらに裏へパントキックをすれば無人状態となりトライ獲得まで辿り着くこととなる。

もう一つ南アフリカのディフェンスでの弱点はラッシュアップを基本としてるのでアタック側の縦突破を狙うFWフロントランナー(デコイにもなる)を捨てて裏のバックスランナーに行くケースがあるので、ワイドへのランプレーを南アフリカに意識させた上で縦に差し込むプレーを多く選択してもいいだろう。

スタッツでもわかる通りゲインラインを超えるキャリーはセットスピードの極めて速い高速ストラクチャーアタックを武器とする日本ラグビーの得点源だ。自信を持って仕掛け続けて欲しい。

ディフェンスでは無尽蔵のスーパータフネスフィットネスをいかし、常にディフェンスラインには15人が立ち「ダブルタックル」を繰り返し南アフリカがアタックし疲れる、または「ダブルタックル」仰向けに倒してのターンオーバー!是非見せて欲しい!

その先には日本ラグビーの歴史を塗り替えられた光景が待っている。

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