初めましてランギです!いつも「Japan-Rugby-Labo-in the World」を見ていただいてる方!そして初めての方!立ち寄って頂いた方ありがとうございます。普段はアタックムーブやシークエンスの解説を主にやっておりますが、この度、私ランギは感動の初ラグビーW杯生観戦することが出来ました!ので是非ワールドカップ観戦記と共にアイルランドラグビーをご覧ください!(観戦記少し遅すぎましたね)
2019年9月22日19時15分キックオフ アイルランド vs スコットランド 会場入りは2時間30分前、やはりウォームアップから観なければ意味がない。とは言え少し早すぎたが会場の雰囲気や外国の方はどれくらい来ているのだろうかと気になりスタジアム内に入った。観客席にはまばらな感じで収容人数7万人の横浜国際競技場がスカスカでは選手がかわいそうだしラグビーってやっぱりマイナーなのかな〜と心配になった。アップまではまだまだ時間があるのでメインのエントランスまで足を運ぶと、そこには大きなモニターが設置されておりイタリア vs ナミビア戦をライブで流していた。即座に目に飛び込んできたのグリーンのジャージやTシャツ着た人集りだ!アイルランドサポーターが(スコットランドサポーターは少なく感じましたね)広場や通路の階段でビール片手に大盛り上がりしているではないか!ここにいたのか〜!私の心配をよそにハイネケンバーの横でこんなにたくさんのファンが待機してたとは流石世界の祭典ラグビーW杯だ!

個々でのウォームアップ!
約1時間前いよいよ両チームのウォームアップが始まった。先ずは Individual warm-up 個々のアップですね!
上の2枚がコナ・マリー ボックスキックを繰り返しチェックする。下はスタッフに虫取り網でキャチングをしてもらうキャプテンのローリー・ベスト

FW&BK チームウォームアップ !
個人のアップが終わるとFW、BK分かれてユニットチェック FWはラインアウト&スクラム BKはセットディフェンス&セットアタックチェック。意外とリラックしている感じですね。全てが90%くらいの強度でチェックしてますね。日本の高校や大学のようにアップから「100%出し切るぜ!」みたいなところは感じません。やはりピークはゲームに持っていくのでしょう。
下の写真は全体のアップが始まりる前にハーフからサイドライン沿いを走り始めコーナーフラッグを回りポール下までダッシュ!キャプテンローリー・ベストが「行くぞ〜!」と声を掛け先導するこのシーン!かっこいいですね〜!(行くぞ〜!とは多分言ってないです(笑))

いよいよキックオフ!スタジアムの雰囲気は!?ナショナルアンセムで涙!?
ロッカールームで準備を終え入場、両チーム互いにアンセムを歌い上げスタジアムのボルテージは最高潮!そしてゲーム直前のチームハドル。この時私はすでに感動のMax! アンセム聴きながら目頭から涙が吹き上がってました(笑) 会場にはなんと6万3千人のファンが詰め掛けていたようです!良かった!
初めてのW杯観戦!6ネーションズの好カードをこの日本で観れる喜び!言葉になりません。自分の周りに外国人の方々が座っているスタジアムの雰囲気に….ん〜なんとも言えぬ満足感!そしてゲームに集中するあまり画像や映像を撮ることも頭から飛んでしまってる有様でした(汗) !
過去のW杯ではどうだったかわかりませんが、外国の方にも日本大会の良い思い出としてゲーム以外でも記憶に残るような日本独自のオリジナリティーとして、ハーフタイム・ノーサイドの40分を示す通常ブザー音のようなものが今大会では「ブゥオ〜〜ン」とまるでシンバル?中国の何か特別なものが出てくるときのような音に!(後から調べましたら銅鑼の音でした)、ケガやTMOなどで数十秒、数分ゲームが中断した時に「ぃよ〜おっ!チャ・チャ・チャン(間)チャ・チャ・チャン(間)チャ・チャ・チャン〜チャン!」と三本締めが流れたり、ハーフタイムでは「カントリーロード」が歌詞の字幕付きでモニターに流し、そして皆で熱唱!(外国の方は皆で歌うのが好きですね〜!日本人はやはり自分もそうですがシャイですね)とこの大会を盛り上げるために関係者の方も努力してたんですね!近くにいたアイルランドサポーターは「ブゥオ〜〜ン」となるシンバルのような音には若干失笑(笑)三本締めは ポカ〜ン としてました(笑)でもいい〜です!後に「あれ何だったんだろう?」と聞くなり調べてもらったりで!ん〜やはり会場アナウンスで説明してあげても良かったのかな〜とも思いますね!

World Rugby より アイルランドvsスコットランド ハイライト!
ゲームは終始アイルランドが支配した。10m付近からLOヘンダーソンがBDサイドを突破しゴールラインを目前に迫る。BKのリターンアタック、FWのピックドライブ、パワープレイでインゴールにねじ込みトライ。続いてもアイルランドがゴール前ラインアウトからしっかりとパックした8人のモールドライブよりキャプテンのローリー・ベストが抜け出し突進、しぶとくゴール内で絡みつくスコットランドFWをローリングで引き剥がしグランディング!点差を引き離す。さらにゴール前センタースクラムからNo8のCJ.スタンダーのサイドアタックを起点にBDサイドをFWのパワープレーでトライを奪う。前半を終え19-3とアイルランドの得点はペナルティーゴールの3点のみ。FW戦で優位に立っているアイルランドがこの得点差を生んでいる。
後半55分敵陣10mに入り込んだアイルランドはSHコナ・マリーのボックスキック、コンテスト後のイーブンボールをW杯初出場のFBジョーダン・ラーマーが絶妙なサポートポジションでキャッチ!そのまま数メートルキャリーしBD、コナ・マリーとWTB14アンドリュー・コンウェイのコミュニケーションと判断で右ショートサイドへのアタックを選択。そこには10m程のスペースがありコンウェイがトライをするには十分過ぎた。瞬時にこのスペースを見極めコミュニケーションをとり判断し実行できるアイルランド 世界ランキング2位の実力を表している。
最終スコアー 27-3 アイルランドがスコットランドをノートライに抑え快勝した。
スコットランドにゴールラインを破らせなかったアイルランドデイフェンスはどうだったんだろう。HCジョー・シュミットとDFコーチ アンディー・ファレル(イングランド=オーウェン・ファレルのお父さん)で作り上げた鉄壁のディフェンス網はディスィァプリン(discipline=規律 よく解説者がデシプリンと言ってる英語ですね)が守られ、より精度(タックルの的中率)が上がってるように感じますね。デイフェンスラインを上げる(ジャムイン=詰める)、引きで守るスライド(ステイ)の判断が的確で、特にワイドに展開してきた時のWTBの上がり(差し込み)の判断とタイミングはチームのディフェンスフィロソフィー(哲学 (元オールブラックスHCグレアム・ヘンリーが「フィロソフィー」をよく使うので真似てみました(笑)))を強く感じます。このゲームではミドルブレイクをいくつか許す中、カバーディフェンスの厚みもあり、ゲインされた後のディフェンスラインセットのスピードも早く再構築されるのでスコットランドはスペースもアタックのリズムも創れず攻め手を欠き、ノーサイドを迎える結果となった。




アイルランド ワールドカップ登録メンバー
PR | タイグ・ファーロング | レンスター |
PR | シアン・ヒーリー | レンスター |
PR | デイヴ・キルコイン | マンスター |
PR | ジョン・ライアン | マンスター |
PR | アンドリュー・ポーター | レンスター |
HO | ローリー・ベスト(C) | アルスター |
HO | ショーン・クローニン | レンスター |
HO | ニール・スカネル | マンスター |
LO | タイグ・バーン | マンスター |
LO | イアン・ヘンダーソン | アルスター |
LO | ジェームズ・ライアン | レンスター |
LO | ジーン・クレイン | マンスター |
FL | ジャック・コナン | レンスター |
FL | ピーター・オマーニー | マンスター |
FL | リース・ラドック | レンスター |
FL | ジョシュ・ファンデルフリーアー | レンスター |
FL | CJ・スタンダー | マンスター |
SH | コーナー・マレー | マンスター |
SH | ルーク・マグラス | レンスター |
SO | ジョーイ・カーベリー | マンスター |
SO | ジャック・カーティー | コノート |
SO | ジョナサン・セクストン | レンスター |
CTB | バンディ・アキ | コナート |
CTB | ロビー・ヘンショウ | レンスター |
CTB | クリス・ファレル | マンスター |
CTB | ギャリー・リングローズ | レンスター |
FB/WTB | アンドリュー・コンウェイ | マンスター |
FB/WTB | キース・アールズ | マンスター |
FB/WTB | ロブ・カーニー | レンスター |
FB/WTB | ジョーダン・ラーマー | レンスター |
FB/WTB | ジェイコブ・ストックデイル |
アイルランドラグビー強さはどこにあるのか
SOのセクストンが中心となりゲームを組み立てる。セットプレーからはサインプレー(ムーブ).シークエンスを駆使しスペースを創り出し巧みに前進。FWのユニットアタックではフェイズを重ねジワジワと前へ出る。ブレイクダウンはサポートも速く、確実にボールアウトする為の人員を割くのでターンオーバーされる事なくフェイズを重ねてくる。アタック全体的に一人一人のレンジは意外と狭くループプレイーやFWのリンクプレーバックドアなどもショートレンジでつなぎ、ミスなく細かく小さなスペースを突きラインブレイクを図る。その中でもSOセクストンはワイドにスペースを見つけてはキックパスを巧みに操り得点シーンに絡めてくる。そして何と言ってもこうしたゲームの土台を作っているのが、目立たないが攻守にわたりチームを牽引しているFWのフロント3人だ。スクラムの強さでチームを優位に立たせゲームの流れを掴み、そしてフィールドプレイでの運動量と俊敏さで切れ目のないフェイズアタックを可能にさせる。そこにはブレイクダインサポートの速さも際立つ。ディフェンスではタックル後のリロードスピードはバック5に引けを取らず、ディフェンスラインのチェーンを切らさず人数を揃えることで激しいディフェンスプレスがかけられる。これらがニュージーランド代表オールブラックスにも勝利したアイルランドラグビーの強さであろう。
アイルランド タイムアップ80分を超えるも 40フェイズを重ね逆転!2018 six nations 対 フランス戦より
アイルランドの粘り強いフェイズアタック&ブレイクダウンと絶対に途切れさせてはいけない状況でキックパスを成功させるセクストの判断とスキルそして度胸!ご覧ください!2018年 vs フランスより
アイルランドのトライパターンはこれだ!2019 six nations 対フランス戦より
スコットランド戦でもあったラインアウトからのモールドライブ。セットアタックからのバックスループプレーなど。
アイルランドシークエンスVol.1 アイルランドラグビーVol.2 こちらもご覧ください。
J・J JAPANは世界ランキング2位アイルランドの壁をどう崩すのか!決戦まで後2日!日本の強さを証明してくれ!これからランギはアイルランドラグビーを破るべく戦略をおそまきながら考えてみたいと思います!最後まで読んで頂きありがとうございました!
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